mizuki no nikki

考えたことを書き留めます

師走

2ヶ月ぶりに絵を描きました。

ちょうちょの絵です。ドライフラワーに集まっています。

この2ヶ月はできるだけなにもしないようにしていました。なにもしないことができなくなっていたから、休み始めた頃は頭の後ろのほうからつたってくるような、毎秒迫ってくる焦りと不安に飲み込まれそうでした。

たくさんの考え方を受け入れること、自分を許すことの練習で、だんだんとのんびりできるようになりました。

わたしがなにもしなくていいように支えてくれた人達には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

わたしは毎日絵を描くわけではないし、描かないといられない!うおお!!というテンションにはあまりなりません。「絵描き」のイメージからはずれてがっかりされそう。これを読んでる人はそもそもそんなイメージ持ってないかな…。そういう熱とは種類が違うんだと思います。

しかし小さい頃から絵が好きで、絵を描いている時間が楽しくて、自然と絵だけは続けているという事実があります。絵を描くことはやめるとかやめないとかじゃないんです。

 

これは絵を描くことに限った話ではなくて、もしも何かが欠けても生きていける…というか、それでも生きていかなければと思います。とても寂しいし悲しいけれど。(今はまだ強がりかもしれません)

 

でもせっかく生きているなら楽しかったり心地がいい方がいいから、わたしにとって大切なものがわたしと共にあってほしいです。大切な人であったり、物であったり、行為であったり。絵を描くこともここに含まれると思います。わたしが"心豊かに"生きるためにはこれらが必要です。

 

失うことの不安と、生きてさえいれば大丈夫だという気持ちを行ったり来たりしながら生きているなぁと思います。

行ったり来たりという表現があっているのかわかりません。行き来ではなくて両方の気持ちが同時にあるかもしれません。

 

相対するものが存在する状況を受け入れることができるように。

 

2020.12.15

 

すすきとサティ

日常にマインドフルネス(サティ)を取り入れ、2週間程続けています。

マインドフルネス瞑想は心を、頭を、空っぽにしなくてよいです。あの時のことやこれからのことを考えてしまう。それはとても自然なことなので思考を否定する必要はありません。過去や未来を考えてしまったら今に戻ってくればいいです。


目的は「今」に気づくことです。気づき続け、心をここに留めます。

自分の思考や感情をジャッジしません。良い・悪い、正しい・間違っているなど、評価や判断をしなくていいです。ただ、今自分がどういう状態なのか観察します。

とてもナチュラルになれる気がします。

 

以下昨日の散歩の気づきの一部です。

晴れている。

太陽の光があたたかい。

風が強い。

空気が鼻を通っている。

鴨がいる。

鉄に硬いものが当たったような音がした。

犬がいる。

すすきの穂に触れた。

歩くと砂利の音が聴こえた。

ポッケにいれた鍵の重さ。

別の鴨がいる。

少し喉が渇いた。

いろんな色の葉。

 

今をよく観察して気づき続けることは日常にそのまま活かせそうです。

わたしははっきりしたい性格だったので、白黒つけないような曖昧な状況ではただ不安な気持ちになっていましたが、マインドフルネス瞑想で判断をしないことを続けてみたらもやもやしたものが解けていくようです。そこには正解も不正解もないのです。

言葉を言葉のまま受け取ること。自分の状態によく注目すること。

 

素敵だと思うことも、不快感も、ありのままの自然さを受容するレッスンを続けてみます。

Q.「好きなタイプは?」

よくある話題だけどちゃんと考えたことがなかったかもしれない。

先日恋人から聞かれて少し悩んだ。

 

個人の好きなところを挙げるのは簡単だけど、わたしが好きな人達の共通してることってなんだろう…?

 

考えて浮かんだのは

"一人でも楽しそうな人"

だった。

 

これは恋愛に限らず、友達など他の対人関係にもあてはまることでしっくりきた。

 

自分で自分を満足させられる人が好きだ。

 

「好きなタイプは?」

「趣味がある人」

にも少し似ているかなと思った。(しかし趣味というものは団体スポーツだったり個人で楽しむもの以外もあるので一概には言えないが…)

 

 

自分で自分を満たすことはわたしの制作のテーマでもある。

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「あなたはあなたのために」(2019)

 

この絵はとくにそういうことを描いた。

SNSの普及で常に誰かを身近に感じることができる今、楽しさや憧れがだんだんとエスカレートして、監視に変わったり、他人と自分を比べることを助長させている。

自分にはなんの影響もないのに、誰かがいい思いをするのことが許せない人達がいるのを知った。自分に満足できず、自分以外の誰かを見つめすぎている。

 

この絵に描かれているのは、わたしのお気に入りのもの達だ。

花瓶にさしているのは母からもらった花束のドライフラワー、よく着る服、バッグ、初めて買ったデパコス、ケーキスタンドにかけたアクセサリー、祖母からもらった香水、夜9時になると光るランプ、寝具の柄…

 

これらを眺めたり身につけたりするのがわたしにとってわたしを満足させる方法のひとつ。

そしてこれらを絵にすることもわたしにとってわたしを満足させる方法のひとつ。

 

誰かと比べてしまうとか、一人でいるのが耐えられないとか、逆にずっとなにかと繋がっているような気がするとか、苦しんでいる人が少しでも楽になれるような方法のひとつの例として自分で自分を満足させることを提案できればいいなと思い描いた。

 

もちろん何も強制するつもりはないしあくまで例なのでそれぞれの方法を見つけられたらいいなと思う。

 

 

 

ステマのように制作の話にスライドしてしまったが、喫茶店でのたわいもない「好きなタイプは?」から始まったわたしの考え事。

絵について、シェルのキャプションでは文字数制限があり書ききれなかったことを改めて書いてみた。

 

わたしの好きな人達に好きなタイプを聞いてみたい。

"〇〇らしさ"の呪縛?

女らしくとか男らしくとか、既存イメージの"らしさ"から解放されようという動きがある。

とても良いと思う。

 

しかし、"らしさ"からの脱却を意識するあまり、らしくいたい人を追い詰めることがあってはならない。

 

例として、

「パンプス履くとか女アピしすぎじゃない?」

これは本末転倒。

 

"らしさ"からはずれることが目標になってしまっている人が、"らしさ"を楽しんでいる人を認められないということが起こっている。

多様性というのは、あらゆる価値観を認め合うということであるはずなのに、多様性という言葉を使って、規範(らしさ)からはずれることを目標としたり規範からはずれなければいけないと勘違いしている人が少なくない。そしてあろうことか規範からはずれない人を下に見たり、攻撃をする。

 

わたしは所謂、らしさを楽しんでいる側の人間で、女の子らしいとされているものが好きだ。ピンク色、リボン、レース、花、スカート、メイク、ヒールのある靴…行為で例をあげるなら、料理やショッピングだろうか。スイーツ女子という言葉で連想してもらってかまわない。

でもこれは、自分が女性に生まれたからこういうものを選ぶべきだなんて思っていない。かわいい、楽しい、気持ちがいいと感じているから選んでいる。

 

男らしくも同様である。

ジェンダーレスが流行し(K-POPアイドルなど)中性的な容姿を目指す男性が増えた。

それによって、既存の男らしさから解放された人々がいる。ここまではいい。そこで、今までどおりの男らしさでいたい人を責める権利など誰にもない。

 

自分がかわいいと思ったらそれを選べばいいし、またはかっこいいと思ったらそれを選べばいい。

 

らしさから解放されようとする人、らしさを気に入っていて大事にしたい人、どっちでも良い。自分が心地いい自分になり、また別の人はそのひとが心地いいそのひとになる。それを認め合うのが多様性であり、目指すべき未来だ。

 

🏳️‍🌈📖LGBTQを読みとく

表題の本を読み終えて、婚姻についてもっと知りたいと思った。

わたしは今まで日本の結婚制度に対してそれほど疑問を持っていなかったけど、クィアスタディーズの視座を持ち込んで考えたら、永続的に変わらない関係への違和感を無視できなくなった。

 

変わらない関係を否定するわけではない。むしろわたしの恋愛観、結婚観は永続的であること寄りで、いまの日本の制度に近いものだったと思う。好きになった人とずっと一緒にとか、変わらず好きでいられると思っているとか。そういうものだと思い込み、そうしていた。

だから当書を読む前、自分の気持ちがどんどん変化することが怖くてしかたなかった。(これは恋愛に限った話ではないかもしれない。)

 

だけど、当書で学んだクィア理論の視点で考えたら人は変わって当然で、自然で。そういう前提を知って少し楽になった。

多様な恋愛観、結婚観があって当然だし、理解できないからといって否定する権利は誰にもない。そして、知識を得た上で、ひとりの人と向き合って関係を続けていくという今までのわたしの思いや憧れも大事にしたい。

 

わたしはモノガミーだけどいまの日本の"結婚"には当てはまらなくても、大切な関係がたくさんあるはず。多様な関係が多様なままで、当人達の意思以外の外的要因で崩されないでほしい。より多くの人にとっていい制度が整うといいな。

 

 

ちくま新書
LGBTを読みとく―クィアスタディーズ入門

【著】森山 至貴